涼宮ハルヒの憂鬱

時間の都合で二部構成になります。本日は前編です。
第4話「涼宮ハルヒの退屈*1

今回のデストロン軍団SOS団ガルバトロンハルヒの思いつきで野球。

野球大会に参加するのは「思いつき」ですがハルヒの「思いつきで野球」ではありません。utumi_k氏、最初っからちゃんと見てません。下らないギャグかましてる余裕はどっから来るのでしょうか?

シリーズ構成的には相変わらずアグレッシブ。

確かに「アグレッシヴ」と言えばアグレッシヴですがutumi_k氏がどういう意味で「アグレッシブ」と言ってるのかは謎です。今までの例からすれば単に「それっぽい」だけで使っている可能性が高いです。

普通ならAという事件があり、次のB事件ではA経験を踏まえた言動が出てくると構成している。ところがハルヒの場合第一話にいきなり自主制作映画を持ってきたこともそうですが、今回も、まずB事件を出してそれ以前のA事件への関心を持たせる描写をして、その後にA事件をあらためて描くという構成になっている。

utumi_k氏、なんか「良いことを思いついた」かのように大はしゃぎです。良かったですね。でも間違ってます。
後半の記述からするとutumi_k氏、「時系列に沿って話を展開するのが普通だがハルヒは違う」と主張しているようです。物語は必ずしも時系列に沿って展開しません。例えば「新世紀エヴァンゲリオン」第2話は元々の構成を前後入れ替えた事で有名です。推理物で謎解きになると回想シーンが出てくるのも良くある展開です。シナリオを書いたことがある人なら恐らく経験があるでしょうが話を短く構成するために回想シーンを使うのは常套です。つまり「Bを出して回想でAを出し、その後Bにもどる」のは初歩的なテクニックであり珍しくもありません。ハルヒの場合は一話毎の構成ではなく全体の構成でそれをやっているのが特殊と言えば特殊ですが。utumi_k氏の主張に直接当て嵌めてみると『まず「退屈」を出してそれ以前の「憂鬱」への関心を持たせる描写をして、その後に「憂鬱」をあらためて描くという構成』になります。今回の話は「涼宮ハルヒの憂鬱」の約2ヶ月後なのでutumi_k氏の表現に合わせれば「憂鬱」がA事件に、「退屈」がB事件になります。B事件である「退屈」でA事件「憂鬱」の経験をふまえた言動が出てくるのはutumi_k氏が言っているように「普通」になります。そして今回の話に直接「憂鬱」は出てきません。という事はutumi_k氏の主張は『今回も、まずB事件(退屈)を出してそれ以前のA事件(憂鬱)への関心を持たせる描写をして、B事件(退屈)を描く構成になっている』が正しいことになります。utumi_k氏の主張の前者(普通の構成)も後者(第4話の構成)も全く矛盾していない事になります。utumi_k氏、発言はちゃんと言いたいことを整理してからにした方が良いと思います。

変則的で一般には多用できませんが*1、これはこれであり。

本編の構成は「良くある当たり前のテクニック」であり色々と多用されています*2。そしてアニメ「ハルヒ」のシリーズ構成は上記のように一般的に多用されている事の変形です。なぜこんな構成になっているのかと言えば原作の構成を逆手に取っているからです。原作文庫は「憂鬱」「溜息」「退屈」と順次刊行されましたが時系列通りではありません。それは書き下ろし長編と連載短編が混在しているからです。基本的に時系列に沿って展開する長編の合間に長編と長編の間のどっかに入る短編エピソードをまとめて文庫化するというのに無理があるわけで実際にそれを解消するために短編の文庫には「あの時の話をしよう」といったキョンの語りが追加されています。それをTVアニメで再現する辺りある意味凄いと言えば凄いのですが一般視聴者は置いてけぼりです。

なおかつ今回の注目点は、登場人物たちの心境をけっして説明的に描かないのに、表情や実際の行動を見ればその心境が十分理解できるように描いている事。

ハッキリ言いますが登場人物の表情や言動を見れば「その心境が十分理解できるよう」になっているのは当たり前です。utumi_k氏、自分が台詞とかで説明されないとそれが分からないからと言ってプロを馬鹿にしすぎです。具体的な例を挙げたいところですが具体的な例がありすぎて。utumi_k氏がココを見ている訳でもないので止めときます*3。utumi_k氏以外の人は「そんな当たり前の事が注目点になるかっ!」と思ってるでしょうし。

これは一定以上の演技力や演出力、アニメでなら作画演出力がないとできない*2。

その程度が出来ないプロは存在しません。できなきゃプロになれないと思います。というか映像表現を何だと思ってるんでしょうか、utumi_k氏? 絵コンテとか見たことないんでしょうか? ちなにみ当方にもその程度の演出は可能です。
すでにutumi_k氏は映像の演出に関して「何も理解できていないらしい」事が分かっていますが今回の記事で本気で「何も分かっていない」ことが証明されました。当たり前のことをさも「凄いこと」のように嬉々として解説*4なんかしちゃって。これだからヲタクは(笑)
明日(予定)の後編に続く。

*1:http://d.hatena.ne.jp/utumi_k/20060425/p4

*2:同じシリーズで多用するのは問題だと思いますが。

*3:utumi_k氏は第1話、第2話でキョンの心底嫌そうな顔とか口をアヒルにしたハルヒとか見なかったんでしょうか?

*4:しかも間違っている。