Wikipedia:ワンダバ

Wikipedia:ワンダバ*1にこんな記述がある。

「ワンダバダバ」というスキャットが特徴で、多くの場合は男声コーラスで表現される。

正しくは「ワンダバダ」*2。また、スキャットではなくコーラス
そしてこんな記述もある。

元々はウルトラシリーズ制作関係者の間で使われていた言葉で、それがファン(オタク)の間に広がったという意見がある*3

正しくは冬木透が使っていたBGM解説にあった言葉。それと関係なくコーラスの歌詞からオタクが「ワンダバ」と呼称し出した、というのが正解。
さらにこんな記述も。

その後も『ウルトラマンタロウ』(1973年)や『ウルトラマン80』(1980年)などのBGMに「ワンダバダバ」という男声スキャットが使用された。

ウルトラマンタロウ」に使われたコーラスは「ダバダバ」であって「ワンダバ」ではない。更に混声コーラスであって男性コーラスではない。
さらにこんな。

多くのウルトラシリーズで「ワンダバ」が用いられた結果、シリーズにおける定番に近い位置付けになったという意見がある*4

脚注を見ても「意見」の存在が確認できないのだが、それはそれとして「ワンダバ」のないウルトラの方が多い*5
ところで。記述者はどうやら「脚注」がどういうモノか知らないらしい。上のもそうだが下のも脚注が全く脚注になっていない。

こういった背景から、「特撮やアニメなどで地球防衛軍が出撃する際のBGM」=「ワンダバ」(あるいはそれに似た曲調のBGM)という認識がファンの間で生まれ、オマージュあるいはパロディとして「ワンダバ」に近い曲調のBGMが使用される例も見られるようになった*6

マンガの書き文字やセリフはパロディではあっても「ワンダバ」に近い曲調のBGMではないぞ。
続き。こんな記述が。

帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンA』のBGMを手がけ、「ワンダバ」の生みの親でもある作曲家の冬木透によると、「ワンダバ」が生まれる基盤になったのは『ウルトラセブン』(1967年)のBGM「ULTRA SEVEN」*7だったという。「ULTRA SEVEN」(男声コーラス)冒頭の「ONE, TWO, THREE, FOUR…」という歌詞の「ONE」を踏襲し、「ワンダバダバ」というスキャットが生まれたという*8

デタラメにも程がある。
「ULTRASEVEN」はBGMではなく挿入歌。監督の満田がウルトラ警備隊の演出に「ULTRASEVEN」の前奏をカットした「ONE TWO 〜」で始まる歌詞部分から使ってみたら非常に良い効果が出た事から、円谷一が「帰ってきたウルトラマン」のBGM発注時に『「ULTRASEVEN」に替わるカッコイイものを』とオーダーをし、「ワンダバ」が誕生した、というのが正解。
『帰ってきた帰ってきたウルトラマン』の記事が間違っているのか、それとも書いたヤツが勝手に変な解釈をしたのかは分からないが、やはりウィキペディアなんか信用できない。

*1:2009年5月1日 (金) 09:04の版

*2:作者の冬木透自身が「ワンダバダ」と表現している。

*3:1980年代初期のアニメージュ別冊付録「スタジオぬえ・デザインノート」では、宮武一貴によって業界用語的な意味である旨の解説がされている。

*4:「ワンダバダバ」というスキャットの入ったBGMが用いられていない作品も存在する。

*5:「帰マン」「A」「80」と平成のヤツ。ZATは前出の通り「ダバダバ」。

*6:Dr.スランプ』単行本第8巻P173や『機動警察パトレイバー』単行本(新書刊)第8巻P78など、1980年頃から漫画等でも「ワンダバ」が使用されている。

*7:作詞:東京一(円谷一)、作曲:冬木透。

*8:辰巳出版タツミムック帰ってきた帰ってきたウルトラマン』より。