帰ってきたウルトラマン

「怪獣使いと少年」
名作の誉れ高き一編だが、じつはすくら的には評価が低い。あちこちに変なところが多すぎるからだ。
この物語は少年がムルチに襲われているところをメイツ星人が助けるところから始まる。怪獣が暴れてるのにMATが全く気づかないなんて変。そんな無能なMATは解散だっ！
そして本編、ムルチに襲われていた少年が野原（？）に穴を掘っているところに次郎君が偵察にいくところから開始。穴を掘る少年をこっそり物陰から老人が見ているのがポイント。
少年の元にいじめ中学生が登場。リーダーのたっちゃんは少年の（？）超能力で酷い目に遭いながらもさらに少年に対しいじめ・いやがらせを繰り返す。少年に超能力があり本気で宇宙人らしいと思ってるのに、穴掘って埋めて泥水かけたり、食事の支度を邪魔して犬を嗾けたりする不良中学生。え〜っと、ほんとに少年が宇宙人なら間違いなく死んでると思うんだが。超能力で酷い目に遭いながら*1、そんなことすら考えつかないかね、不良中学生？
郷は少年の身元調査を終了。伊吹から少年に関わる宇宙人の存在の可能性を示唆されながらも少年の奇行を気にするあまり、郷は伊吹に指示された少年宇宙人説の払拭すらしなかったため最悪の事態に陥ることになる。郷、隊長の指示くらい守れ、馬鹿者。
後半、郷はメイツ星人と接触。メイツ星人は１年前の雨の日、地球の風土・気候を調べるために地球に不法侵入し、たまたまムルチに襲われていた少年を助けたことを語る。先住民のいる惑星に勝手に進入して調査する。明らかなスパイ活動だ。メイツ星は地球を狙っているぞ。
しかしメイツ星人は少年と暮らすうちに地球にこのまま住んでもいいと思い始めたらしい。つまりメイツ星に帰ると何か地球にとってマズイことがあるんでないか？
その後メイツ星人は地球の汚れた大気に肉体を蝕まれ死ぬ寸前に。少年から早く宇宙船を見つけないと死んでしまうと聞かされ、郷は少年と一緒に穴掘り開始。穴掘る前にやることがあるだろう、郷よ。とりあえず隊長に報告くらいしろよ。いや、その前に少年宇宙人説を否定しとかないと。
郷が少年と穴掘りを始めると、いきなり、突然、何故か、町の住人が凶器を持って河原に来襲。おいおい、いきなりすぎないか？　町ではちょっと噂になってたくらいだったぞ*2。ちなみに先頭に立ってるのは警棒持ったお巡りさん。滅茶苦茶だ。
「その子は宇宙人だということがわかった。MATが手を下さないなら俺たちがやる！」と少年に襲いかかる住人たち。伊吹の指示通りちゃんと少年が宇宙人説を否定しときゃこんなことにはならなかったろうに。穴なんか掘ってるから。郷秀樹、駄目じゃん。つーか、確かに伊吹はこの件は郷に一任するって言ってたけど、MATは本気でなんもせんのな。いや、郷が何も報告してなかっただけか。
少年を連れ去ろうとする住人の前に老人に化けたメイツ星人が登場、宇宙人は自分だと明かす。なぜか住人の皆さんは老人に恐れをなし暴動発生。顔に火傷のある見るからに死にかけの老人が、自分は宇宙人だと言っただけで何をそんなに怖がってるんだ、住人？　つか、そんなに怖い宇宙人ならいちころだと思うが。いい大人がたっくんレベルですか？
押し合いへし合い、もみくちゃになってるところへ警官がいきなり発砲。何故？　つーか、大混乱のとこに発砲するって、どーゆー警官？　住人に当たったらどーするつもり？
メイツ星人、死亡。愕然とする郷。あのさ、あんたがやるべきことをやらなかったのが原因でしょ？
メイツ星人の念力で押さえられていたムルチが復活。住人大混乱。住人の行為に絶望した郷はこれを放置。そこへ謎の坊さん登場*3。以下省略。
と、まぁ、そんな感じでその後もムルチが暴れてるのにMATは出動しなかったりと変なところてんこ盛り*4のこの回。単純にテーマ的なことだけで名作扱いするのは如何なものだろうか？
メビウスに登場した駄続編「怪獣使いの遺産」は明日以降。
ところで楽しい読み物であるNOVA氏のblogに興味深い記述発見。

もしかして、佐久間良くん、メイツ星にたどり着けた？　と考えてしまうわけですよ。
http://d.hatena.ne.jp/whitenova/20061113/1163442468

あーなるほど。それは思いつかなかったな。なんで３０年以上も経ってと疑問だったが、なるほどそう考えれば辻褄が合う。さすがNOVA氏。でも再観賞したわりに肝心な部分の記述が間違ってる*5のは（笑
ところで謎の坊さん、NOVA氏も*6「伊吹隊長」って言ってるけど、果たしてあれってホントに伊吹隊長？　実はあの坊さんは伊吹隊長ではなく伊吹隊長にそっくりな姿に変身した宇宙警備隊の人ではないか？ってのが俺の昔からの持論。前半で犬を連れて再来襲した中学生を少年が撃退した時にも姿を見せるし、住民にあきれ果て何もしない郷に彼がウルトラマンだと知ってそうな台詞を言うし*7。とか言う以前に坊さんの格好する意味ないしな。

*1:ちなみに犬は爆死。

*2:住民の台詞によると「おまえの所為で町は大騒ぎになったんだぞ」とのこと。少年は町に行って食パン買っただけ。いつの間に大騒ぎが？

*3:前半でもちらっと姿を現している。

*4:少年の使った超能力についても絡繰りがあるらしいが言及がないし。

*5:伊吹隊長の命令は「少年を宇宙人説から解放すること、メイツ星人には話を聞いただけで、協力してるのは少年に。暴動が起こったのは不良中学生のたっくんが酷い目にあった（パン屋のおばちゃんの台詞）のにMATが少年に協力してるからだし、少年は連行されそうになった（警官の台詞）だけ。

*6:あの坊さんをきっぱりと伊吹隊長だと言い切ってる人は多数いる。というかほとんどそう。

*7:帰ってきたウルトラマンは史上初めて正式に光の国から地球に派遣されてきたウルトラマン。で、俺の持論ではウルトラの父は地球を新米戦士の訓練場として利用してる（メビウスがまさにそれ）ってのがあるので、こっそりと見守ってるベテラン宇宙警備隊員がいても不思議はない、って感じだ。